社説:北朝鮮の脅威 核実験も強行するのか
毎日新聞 2012年04月10日 02時32分
北朝鮮が人工衛星打ち上げと主張する「発射」の時期が迫ってきた。故・金日成(キム・イルソン)主席の生誕100周年にあたる4月15日をはさみ、12日から16日までの発射を予告している。
期間中、平壌では朝鮮労働党代表者会と国会にあたる最高人民会議が開かれ、金正日(キム・ジョンイル)氏の後継者・正恩(ジョンウン)氏が党と国家の最高位職に就くはずだ。「発射」には権力の3代世襲を祝う花火のような狙いがあろう。
北朝鮮は一部海外メディアに発射準備の状況を見せ、軍事目的を否定した。だが何と説明しようと、これが長距離弾道ミサイルの実験と同じ意味を持つのは間違いない。
北朝鮮は長年にわたってミサイル開発に精力を傾け、中東諸国などに多数を輸出した。今や米国にも届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)のレベルを視野に入れつつある。
しかも核武装の野望を抱き、既に地下核実験を2回行った。その実験は2回とも、ミサイル発射のしばらく後で実施された。
そして最近、同じ所で3度目の核実験を準備している兆候が捕捉されたという。主に韓国の情報だ。また同じ手法を繰り返すつもりなら、国際社会を愚弄(ぐろう)するにもほどがある。断固として阻止すべきである。